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部分入れ歯特有の問題を改善するビーチ・アタッチメント。「これ以上歯を失いたくない方」「金属製の留め金が気になっている方」にお勧めです。
歯を失った場合
歯を失った場合の主な治療方法には、ブリッジ、インプラント、入れ歯があります。
欠損の状態・残存歯の状態・全身状態・費用、全ての条件が許されるならば、第一選択はインプラントもしくはブリッジになると私は考えます。
しかし、カウンセリングの結果「手術が怖い」「高齢である」「骨の状態が十分ではない」「支える歯がない」等といった理由で、治療方法が入れ歯になることがあります。
その場合、部分入れ歯特有の問題を少しでも解決するために、ビーチ・アタッチメントをお勧めしています。
クラスプの基本構造(保険適用とビーチアタッチメントの違い)
クラスプとは、部分入れ歯についている金属性の装置で、これを歯に引っ掛けることにより入れ歯が外れたり、ずれたりするのを防止します。
ビーチ・アタッチメントとは、このクラスプと呼ばれる装置の一つです。
保険適用の部分入れ歯におけるクラスプの構造
ビーチ・アタッチメントの構造
抱え込むタイプのクラスプは引っ掛けた歯に負担をかけます
抱え込むタイプのクラスプは、歯の表裏3/4を金属で挟み込み、入れ歯を維持安定させます。挟み込むため、入れ歯に加わった咬む力は、クラスプの掛かった歯に直接伝わります。
上下前後左右あらゆる方向への咬む力は、クラスプの掛かった歯に負担を与え続け、最悪の場合、グラグラしてきて抜歯へと繋がります。 実際に、部分入れ歯のせいで歯が一本ずつダメになり、最終的に総入れ歯になるという事は少なくありません。
ビーチ・アタッチメントは引っ掛けた歯に負担をかけません
ビーチ・アタッチメントは、歯を挟み抱え込まないので、歯に咬む力が直接伝わりません。入れ歯に加わる咬む力を、可動性のあるビーチ・アタッチメント自体で吸収し、クラスプの掛かった歯の負担を軽くします。吸収できない強い力が加わった場合は、ビーチ・アタッチメントが折れ、クラスプの掛かった歯を守ります。
もし、折れた場合は、来院していただければ30分もかからず修理できます。(ちなみに、抱え込むタイプのクラスプは義歯を預かり数日間かけて修理する必要があります。)
このように、クラスプを掛けた歯への負担を軽くするビーチ・アタッチメントは、歯の喪失の連鎖を抑え、残された歯を守ります。
審美性の高いビーチアタッチメント
「見た目が気になるので、部分入れ歯の金属の留め金(クラスプ)を無くすことは出来ませんか?」という相談をよく受けます。
部分入れ歯にクラスプは必要不可欠な装置です。しかしクラスプは、審美性においてはマイナスで、部分入れ歯への抵抗感の一つとなります。
保険適用内での入れ歯のクラスプは、1~1.5mm幅の金属が歯の表面3/4周に掛かるため、会話や食事の際にどうしても金属が目立ってしまいます。
一方、ビーチアタッチメントは、0.7mm幅と細く歯の後方部分に引っ掛けるだけなので、ほとんど見えることがありません。口元を手で隠す必要もなく、人前で入れ歯を気にせずに会話や食事を楽しめます。
ビーチアタッチメントのデメリット
ビーチアタッチメントでは、引っ掛ける歯に特別な形態が必要なため、歯を一層削り、被せ物にする必要があります。 歯を削る事はデメリットですが、将来的な抜歯のリスクと比較すると、デメリットとしては小さく、有効な治療法だと考えています。
また保険適用外で高価なこともデメリットの一つです。
残された歯を守り、審美性にも優れたビーチアタッチメント
部分入れ歯装着後、クラスプを掛けた歯がダメになり、一本また一本と歯を失い、最終的には総入れ歯ということも少なくありません。
残った歯の負担を軽減するビーチアタッチメントは、歯の喪失の連鎖を止めるのに効果的です。
また、「留め金が気になり、ついつい口元を手で隠し会話や食事をしてしまう」という話も良く耳にします。目立たないビーチアタッチメントは、人前で入れ歯を気にせず、食事や会話を楽しめます。
「これ以上歯を失いたくない」「入れ歯にして、段々と歯が無くなってきている」「人前で入れ歯の金属が気になる」という方には、ビーチアタッチメントがおすすめです。
回数・期間
保険適用の入れ歯と同じです。
費用
ビーチアタッチメントは保険適用外です。保険適用外の部分入れ歯と同等の価格になります。