「腫れて痛い」「痛くて咬めない」ほどの大きな問題はないが、「歯が黒くなっている」「最近、食べ物がよく挟まる」等、少し気になることもあると思います。
痛いなどの直接的な問題がないとなかなか歯科医院に脚が向きません。しかし、治療開始が遅れると、通院回数や治療費の負担増はもちろんのこと、神経や歯自体を取らなければならなくなることも少なくありません。
気になることがあれば早めに医師の診察を受け、「経過観察でよいのか?」「すぐ治療したほうが良いのか?」等の診断を受けてください。
歯が黒くなっている
歯が黒くなる原因として、単なる着色と虫歯と歯周病の3つが考えられます。
単なる着色(ヤニやコーヒー等)で黒くなっている場合は、病気ではないので、特に心配はいりません。クリーニングで白く輝く歯を取り戻してください。
虫歯で歯が溶けると黒くなります。虫歯は自然治癒がないため大きくなる一方です。また痛みがないまま神経まで感染を起こし、気付かず重篤化していることもあります。
早めに医師の診察を受けて下さい。
歯についた歯石が黒く見える場合もあります。一般的に歯石は白色や黄色です。血液が交じり黒くなった歯石が見えるということは、歯周病が進行し歯の周囲の骨が溶け歯肉が下がったことを表しています。
早めに医師の診察を受けてください。
歯がザラザラしている
歯が欠けると舌触りがザラザラします。
歯は普通に食事をしていても欠けますし、歯ぎしり・くいしばりでも欠けます。欠けた歯は、断面が粗造な表面をしているため、舌や頬を傷つけやすくします。
ザラザラしている歯は、虫歯の原因となる汚れも付きやすい状態です。そのため、研磨や角を丸めるといった歯科的処置が必要になります。
歯ぎしりやくいしばりが原因で歯が欠ける場合は、マウスピースで歯を守ることができます。
また、虫歯が原因で歯が欠けることもあります。 虫歯は表面の穴は小さいが中で大きく広がる特徴があるため、患者様が気付かないうちに大きな空洞になっている事があります。このような場合は歯が欠けやすくなります。
いずれの場合も、早めに医師の診察を受けてください。
歯に食べ物が挟まる
歯に食べ物が挟まる原因として、虫歯で歯に穴が空いている、歯周病で歯が動き、歯の間に隙間ができた可能性が考えられます。
食べ物が挟まる場所は菌が繁殖しやすく、放置すると虫歯や歯周病は急速に進行していきます。
早めに医師の診察を受け、適切な処置を受けてください。
詰め物や被せ物が取れている
歯には表面の白いエナメル質は虫歯になりにくいが、その下の象牙質は虫歯になりやすいという特徴があります。
詰め物や被せ物を作る場合はこの象牙質まで歯を削ります。よって、詰め物や被せ物が取れた状態は、象牙質が露出しており虫歯になりやすい状態です。
特に痛みがなくても虫歯が進行する前に早めに作りなおしてください。
歯がグラグラしている
歯がグラグラしている場合は、歯周病か歯根の破折が考えられます。
歯周病で歯が揺れている場合は、歯の周りの骨がかなり溶けている状態です。一度溶けた骨はもとには戻せませんので、歯の揺れに気付いたらそれ以上進行するのを防ぐことが大切です。
また歯根が破折すると歯が揺れてきます。特につよい衝撃(硬いものを噛む・ぶつける)がなくても歯は折れます。放置すると膿がたまり腫れや激痛を伴います。
いずれの場合も、早めに医師の診察を受けてください
(参照リンク)
当院では、3本の柱であなたの口を歯周病から守ります
歯が抜けたままになっている
歯がないまま放置すると、歯のないところに前後の歯が倒れてきます。また、咬み合う歯はどんどん伸びてきて、最終的にはかみ合わせの崩壊に繋がります。
前後の歯や咬み合う歯の位置のずれが大きくなると、いざ治療する時に歯を大きく削ったり、神経を取るなど余計な治療の必要が出てきます。
ブリッジ・入れ歯・インプラントといろいろな治療法がありますので早めに医師にご相談ください。
(参照リンク)
歯が無いまま放置した場合の影響と、その治療方法
気になる所がある方へ
痛みなど大きく困ったことがないと歯医者に行かない、という方もいらっしゃいます。しかし放置したゆえに問題が重篤化、複雑化することはよくあります。
「もう少し早く来ていただければ…」とならないよう、体の小さなSOSを見逃さず、早めに医師の診察を受けてください。