ウイルス(インフルエンザやコロナなど)感染の予防には、常に口腔内の状態をきれいに保つ口腔ケアが大切です。
1900年代の初頭に全世界で猛威を奮ったスペイン風邪の研究結果では、ウイルス感染を起こした72%の人に歯科感染症(虫歯や歯周病など)があり、さらに感染後も病気が重症化しやすいといった結果が出ました。
逆に歯科感染症がない人は、ウイルスに感染する割合が32%まで下がるといった研究結果が出ています。
口腔ケアを怠ると、なぜウイルス感染しやすくなるか
人の喉や気管の粘膜には粘膜免疫と呼ばれるウイルスに対する防御機能が存在します。
口から侵入したウイルスは喉や気管の粘膜で増殖するため、この粘膜免疫は感染防御に大変有効です。
しかし口腔ケアを怠り口腔内細菌が増えると、細菌が酵素を出して粘膜免疫を破壊してしまいます。
そのためインフルエンザなどのウイルスに感染しやすくなってしまいます。
ウイルス感染を防ぐ口腔ケアとは
1.歯磨きによるセルフケア
正しい歯磨きで、細菌の増殖を防ぎましょう。
口腔ケアの第一歩は毎日の正しいな歯磨きです。日々、食事をすると細菌は増殖しますので、正しい歯磨き方法を習得・実践してください。
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2.歯石除去
歯科医院で歯石除去を行いましょう。
半年以上歯石除去を行っていない方には、間違いなく歯ブラシでは落とせない歯石(細菌の塊)が歯についています。現状ついている歯石を一度歯科医院できれいに落としてください。
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3.定期的な歯のクリーニング
歯科医院で定期的なメインテナンスを受けましょう。
歯科医院で歯石除去を行い歯磨きも頑張っていても、日々磨き残しはどうしても溜まっていってしまいます。3ヶ月に一度程度は歯科医院での定期的なメインテナンス(PMTC)を行い、口腔内の清潔な状態を保ってください。
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4.汚れがたまりにくい口腔内環境づくり
放置している虫歯、治療途中の歯、歯にあってない被せもの詰め物などは細菌増殖の温床になります。早めに治療して細菌の溜まりにくい環境を作ってください。
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また歯並びの悪いところも細菌増殖の温床になりますので、歯並びの改善を行ってください。
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口腔ケアはウイルス感染への水際対策です
感染症予防のために大事なことは、身体を清潔にすることです。
ウイルス感染は、鼻と口と目などの粘膜から起こります。口腔ケアで口の中を清潔にし、健康に保つことはウイルス感染の水際対策になります。
ウイルス感染予防のために、お口の衛生管理を心がけて下さい。特に歯周病菌は免疫を壊す酵素をもっています。
歯周病にかかっている方は、ご自身でのセルフケアと共に、歯科医院におけるプロフェッショナルケアも大切にしてください。